近代日本社会教育の成立

著者名
松田武雄
価格
定価 6,300円 (内消費税 300円)
ISBN
978-4-87378-845-6
仕様
A5判 上製 392頁 C3036
発行年
2004年11月

内容紹介

 本書は,近代日本における社会教育の成立過程について,思想や概念の形成過程に焦点を定めながら,そうした思想や概念と政策・行政および社会教育の実態的な基盤である地域の社会教育活動との相互規定関係に留意して,その全体像を明らかにしたものである。従来の戦前日本における社会教育の歴史的イメージ――国家主義的,官僚主義的,画一的という理解に対して,新しい多様な社会教育の歴史像とその可能性を描き出している。

目次

 第一章 初期社会教育論の形成と通俗教育論の登場
 
 福沢諭吉の「人間社会教育」の思想/「自治の教育」としての社会教育論
  から学校教育の「補翼」としての社会教育論への展開/就学促進のための
  通俗教育論と成人教育としての通俗教育論/地域における通俗教育活動を
  通した通俗教育・社会教育の概念形成
第二章 通俗教育・社会教育の交錯と社会教育概念の形成
 
 社会教育の近代に至る通/「教育の社会化と社会の教育化」思想の系譜/
  山名次郎の社会教育論の再検討/通俗教育と社会教育の交錯――通俗教育
  から社会教育への概念的推移――  
第三章 地域通俗教育の変遷と諸相
  通俗教育による就学奨励と「尚武教育」/東京市教育会の発足と都市通俗
  教育の出発/大都市通俗教育・社会教育の形成/通俗教育の新たな担い手
  としての青年会の組織化
第四章 日露戦後の地方における通俗教育・社会教育行政の組織化
  社会教育行政組織化の端緒的な契機・1910年代における通俗教育行政の組
  織化/通俗教育活動と社会教育活動の組織化とその交錯/社会教育事務専
  任吏員の設置とその意義/大都市社会教育行政の開始―大阪市を事例に― 
第五章 地域通俗教育の計画化と地域における多様な展開
  教育会による通俗教育の計画化/東京府教育会通俗教育部の設置とその活
  動/教育会の通俗教育に関する調査/東京市と島嶼地域における通俗教育
  の独自な様相/地域に応じた青年会の組織化の進展と多様な諸活動
第六章 創設期社会教育行政の思想
  社会教育行政確立の思想的背景/創設期社会教育行政官のデモクラシー論
  /「教育の機会均等」と社会教育行政の組織化/欧米成人教育思想の受容
  と日本における成人教育思想の形成
第七章 「教育改造」と社会教育の思想――乗杉嘉壽の社会教育論――  
  乗杉社会教育(行政)論の特質/欧米視察までの乗杉嘉壽/「教育改造」の
  思想と「教育の実際化」論/教育制度の改善についての提案/社会教育(行
  政)論の形成と体系化
第八章 「教育の社会化と社会の教育化」論と成人教育・自己教育の思想
     ――川本宇之介の社会教育論――  
  川本宇之助の足跡と研究の課題/「教育の社会化と社会の教育化」論と社
  会教育の概念/成人教育論の形成――自己教育としての社会教育論――  

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