内容紹介
スイスは連邦政府,州に該当する26のカントン,そして地方政府に該当する約3,000の自治体から成る連邦国家であるが,その本格的な財政分析はこれまでわが国では研究の空白地帯であった。本書は,このスイスのカントンと自治体に焦点を据えて,その財政構造,税財政制度,そして政府間財政関係を詳細に分析している。「スイス財政連邦主義」という書名は,スイスにあっては高度に分権化された税財政制度・財政構造が存在していること,また,複数の政府(連邦政府とカントン・自治体)間での連携によって行財政運営上の効率性が図られていることを含意している。
分権化を財政面で徹底していくとどのような課題があるのか,またその克服策は何かという点で,わが国の今後の地方財政の在り方に対して示唆する点も多い。
目次
第1部 分権化された財政
第1章 分権化された財政構造―国際比較の視点から―
第2章 財政構造の分権化 1950―1987年
第3章 所得・財産課税―カントン間の比較―
第4章 法人税制
第2部 自治体財政
第5章 自治体の財政構造
第6章 自治体の税財政制度
第7章 自治体の財政構造の多様性
―カントン・ジュネーヴとカントン・チューリヒの比較―
第8章 自治体の税財政制度の多様性
―カントン・ジュネーヴとカントン・チューリヒの比較―
第3部 政府間財政関係
第9章 財政調整制度
第10章 垂直的課税協調―連邦政府とカントンの間の課税協調―
第11章 カントン間二重課税
第12章 地域政策―連邦政府の施策を中心に―
補 論 連携の視点から