哲学的人間学序説モナドと汝

著者名
児島 洋
価格
定価 3,990円 (内消費税 190円)
ISBN
978-4-87378-866-1
仕様
A5判 上製 350頁 C3010
発行年
2005年5月

内容紹介

哲学的人間学の主題は,人間の「人格」である。観念論哲学によれば,人格は理性的な定立作用のうちにあり,実存哲学によれば想像力的な投企作用のうちにある。これら二つの主体性は,互いに異質的であり,さしあたり対立的関係のうちにあるが,その具体的かつ暫定的(不完全)な統一が人間の身体である。定立作用は「外側から見た身体」(ケルパー)を拠点としており,投企作用は「内側から見た身体」(ライプ)を拠点としている。しかし単独な人間身体(ライプケルパー)は,決して両者の完全な統一ではなく,いわゆる人間的矛盾をはらんでいる。ケルパーは法則的必然をふくむすべての三人称的次元(彼,彼女,それ)の原点であり,ライプは創造的自由をふくむすべての一人称的次元(我=モナド)の原点であるが,これら二つの原点を十全的に統一し,真の「人格」を実現するためには,両者を媒介する二人称的次元(なんじ)が必要である。「汝」は対向する身体をつらぬいて,両者の「間」に生起することによって,二つの主体性を共現在的に統一し,独立かつ共同的な「人格」を実現する。

目次

第一部 自己と他者
 第一章 限界状況 ――包括者から場所へ――  
 第二章 モナドへの内在と超越 ――人称的自我の基体――  
第二部 実存と理性
 第一章 実存哲学の目指すもの ――理性の基体――  
 第二章 近代的理性の実像と虚像 ――デカルトを疑わしめたもの――  
第三部 身体と意識
 第一章 物の裏側を見ること ――超越論的意識の複数連合主観性――  
 第二章 現象学と実存哲学の接点 ――世界地平と想像力――  
 第三章 身体論の歩み ――体表面的主観(身体統覚)の形成――  
 第四章 モナドと他者 ――ライプとケルパーの相即――  
第四部 我と汝
 第一章 「我―汝」関係の問題点 ――我でありつつ,他者となること――  
 第二章 「汝」の現象学
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