人文科学文学
British Romanticism, Slavery and the Slave Trade 1780s to 1830s
- 定価 8,400円 (内消費税 400円)
18世紀ヨーロッパ文化の暗部を支えた奴隷貿易,特に英国における奴隷貿易廃止運動を背景に,第一世代のイギリスロマン派詩人(コールリッジ,サウジー,ワーズワース,ブレイク等)の文学的感覚と社会的感受性が,彼らの宗教的,政治的,哲学的思索を総動員し,いかにそれに関与したかを考察。ウィリアム・ウィルバフォース,トマス・クラークソン等の奴隷貿易廃止論,イギリス議会における論争,白人を人種階層のトップに位置づける人種理論,キリスト教思想との関係も視野に入れ,ロマン主義文学の感性が複雑な社会的精神的葛藤の中で...
フラメンカ物語
- 定価 3,990円 (内消費税 190円)
「フラメンカ物語」は13世紀フランス中南部地方の方言であるオック語で書かれた作者不詳の韻文風俗物語であり,現存する中世オック語作品群のうちでも資料的価値・文学的価値ともに「文句なしの一級品」である。フランス南部カルカソンヌの市立図書館に残る唯一の写本をもとに訳出された八千余行にわたる詩句の厳密な考証と分析に基づいた訳文は,一般の読者にも親しみやすい現代語訳となっており,きわめて明解である。 美しきフラメンカを娶ったブルボンの領主アルシャンボーは,その結婚披露宴での些細な出来事から嫉妬に駆られ,彼...
バンジャマン・コンスタン日記
- 定価 9,870円 (内消費税 470円)
本書は,恋愛心理分析小説の最高傑作の一つ『アドルフ』の作者にして,政治家,政論家,宗教思想史家,コスモポリタンであり,さらに恋愛のマキャベリスト,漁色家,賭博狂という顔も持つ八面相人間バンジャマン・コンスタン(1767年スイスローザンヌ生,1830年パリ没・国葬)の「日記」の翻訳である。モーリヤックをして「ルソー,ジッドもその足下にも及ばぬ魂の告白書」と言わしめた全心露出の「日記」の記述は,別れるに別れられぬスタール夫人との愛憎半ばする悪縁と,既婚ドイツ夫人シャルロットとの離叛再会愛憐の,愛憎と...
残響
- 定価 2,520円 (内消費税 120円)
統一的なテーマで編集された英・米・アイルランドの短編小説8編。丁寧な注釈を施したハーディ新訳に加え,全8編中7編が本邦初訳。人が作った社会の仕組み,持って生まれた性(さが),避けることのできない老いなどに取り囲まれている人生の中で,生きる喜びと力を与えてくれるものは何か。また,その喜びと力を阻んでいるものは何か。立ち止まって考えたい。耳を傾けたい。失ってはならないものに読者の心を手繰りよせる数々の残響に。
廷臣詩人 サー・フィリップ・シドニー
- 定価 5,880円 (内消費税 280円)
エリザベス女王の宮廷にあって文武両道の華・理想の廷臣とされてきたシドニーの実像に迫り,その非神話化を試みる。エリザベス朝期の文学評論で定評のあるダンカン=ジョーンズ女史による斬新で画期的な評伝。
トテル詩選集 歌とソネット 1557
- 定価 6,930円 (内消費税 330円)
Edward Arberが出版したTottel's Miscellany(1870)の名称で知られるSONGES AND SONETTES(1557)『歌とソネット』は,出版以後よく読まれ,シェイクスピアもこの詩選集により英詩に初めて接したと言われる。英文学史上初めてソネットと無韻詩が発表され,詩の言語としての英語の自立が宣言されたことで不朽の名を残す。また,学者詩人ニコラス・グリモールドの詩が,再版では10篇に減らされ以後読まれなくなるが,初版では40篇が印刷されていることも重要である。 ト...
アキテーヌ公 ギヨーム九世
- 定価 3,360円 (内消費税 160円)
高い身分にありながら奔放に生き,非常に個性的であったといわれるアキテーヌ公ギヨーム九世。中世南仏文学の担い手であったトルバドゥール(吟遊詩人)の祖とされる彼は,それまでの女性観を変革し,女性を対等な人間として扱う新しい愛の理想を発見した先駆者でもあった。現存する11篇の詩作品とその解説,またその生涯や言語の分析を通し,その人物像を浮き彫りにする。
セリーヌの道化的空間
- 定価 5,565円 (内消費税 265円)
呪われた作家から自虐の道化師へ――本書は〈敗残の巨人〉セリーヌの作品を20世紀の傑出した道化文学として読み解く試みである。主要な長編小説のみならず,今なおタブー視されている激烈な反ユダヤ主義文書も射程に入れ,セリーヌの創作的想像力の本質に迫っている。単独著者によるセリーヌ研究書としては本邦初の出版である。
バラードの競演
- 定価 3,360円 (内消費税 160円)
対象を直感的に,大づかみに受け止め,問題の本質を総体的に把握しようとするゲーテ。思弁の力を駆使して,問題の所在を論理的に解明しようとするシラー。異なる資質をもつ二人の巨人がそれぞれのポエジーを,詩歌の源泉としてのバラードの中で自在に展開する詩的宇宙。テキストの精密な読解に徹したユニークな論考。
ジャン・パウル中短編集2
- 定価 8,925円 (内消費税 425円)
本書はジャン・パウルの中短編から三編,キリスト教を背景に誕生した科学者のシニカルな奇矯な言動を語る『カッツェンベルガー博士の湯治旅行』(これは付録にテロ問題を論ずる『シャルロット・コルデについて』等を含む),それに恋愛に於ける言語表現と身体表現をテーマとする『伝記の楽しみ』,自我意識の生誕等を語る『自伝』を収めたものである。本書をもって訳者らが取り組んできたジャン・パウル主要作品の翻訳は完結し,この鋭い,辛辣な知性との対話を日本語で行うことが可能になった。
