言語接触と中国朝鮮語の成立

著者名
宮下尚子
価格
定価 7,875円 (内消費税 375円)
ISBN
978-4-87378-928-6
仕様
B5判 上製 240頁 C3087
発行年
2007年1月

内容紹介

朝鮮半島で19世紀に起きた大飢饉を皮切りに日本の朝鮮支配,中華人民共和国の成立,朝鮮戦争の勃発,文化大革命そして改革開放と朝鮮族を越境に追いやった厳しい状況は現在も変わることはない。本書は,中国の朝鮮族が話す朝鮮語について,その言語が漢語との言語接触によりどのような影響を被りつつあるかを社会的な側面と言語的な側面の両方から記述することを試みたものである。巻末には語彙表(発音記号とアクセント及びハングル付き)を掲載。

目次

はじめに
転写および諸記号について
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序 論
1.朝鮮族の中国移住と中国朝鮮語の方言分布
   1.1 朝鮮語の方言区分
   1.2 朝鮮族の中国移動
   1.3 中国内の朝鮮語の方言分布
   1.4 中国朝鮮族の二言語使用状況
   1.5 二言語使用は単一言語化への圧迫か
2.中国の双語と少数民族言語政策
   2.1 双語――中国の二言語使用
   2.2 先行研究
   2.3 解放直後の双語研究
   2.4 中国の「双語」制がはらむ問題点
   2.5 スターリンの「言語学におけるマルクス主義について」
   2.6 スターリン学説教条化の批判
   2.7 言語の「交配」と「発展」
   2.8 借用語の問題と少数民族の言語意識
   2.9 小結:現在の双語研究の問題点
3.中国朝鮮語の規範問題
   3.1 導入
   3.2 先行研究
   3.3 建国直後の中国における朝鮮語規範化(1949―1956)
   3.4 反右派闘争と大躍進の時期(1957―1963)
   3.5 経済調整期の朝鮮語規範化(1964―1966)
   3.6 文化大革命期の朝鮮語規範化(1967―1977)
   3.7 文化大革命以後の朝鮮語規範化(1978―)
   3.8 小結
4.言語接触研究とその問題点
   4.1 言語接触
   4.2 ピジンとクレオール
   4.3 言語の消滅
   4.4 理論的枠組
    4.4.1 二言語使用と言語接触
    4.4.2 干渉と借用
    4.4.3 借用の普遍性に関する問題
   4.5 考察
5.延辺朝鮮語の音韻と漢語の影響
   5.1 はじめに
   5.2 先行研究
   5.3 延辺朝鮮語の音節構造と音韻的特徴
    5.3.1 母音
    5.3.2 わたり音
    5.3.3 子音
    5.3.4 尾子音
    5.3.5 頭韻法則
   5.4 アクセント
    5.4.1 固有語のアクセント
    5.4.2 漢字語のアクセント
   5.5 音借用語
   5.6 小結
6.統語借用
   6.1 はじめに
   6.2 朝鮮語の統語借用に関する先行研究
   6.3 延辺朝鮮語の統語的特徴
   6.4 拘束形態素の借用
   6.5 統語形式の借用
   6.6 小結
7.語彙の借用
   7.1 語彙借用の分類
    7.1.1 字音借用
    7.1.2 翻訳借用
    7.1.3 混種語
    7.1.4 音借(直接借用)
   7.2 身体名称の借用現象
   7.3 親族呼称
   7.4 小結
終 章
朝鮮族歴史年表
参考文献
語彙調査資料
あとがき
索引
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